【2日間】しまなみ海道を走破する王道プラン
初心者でも1泊2日でしまなみ海道をサイクリング
愛媛県今治市スタートの失敗しないモデルコース!
【今治スタート・黄金の王道プラン】今治でレンタサイクルを借りてしまなみ海道サイクリングへ。途中の大三島で一泊。尾道まで2日間かけて、しまなみ海道をゆっくりと走破する定番のプランです。地元ポタリングガイドが集めた実地調査に基づくサイクリング情報や厳選した16本のサイクリングプランを掲載したガイドブック『しまなみ島走PLAN』の中から、ダイジェストお試し版として「シクロの家」宿泊の方に最も満足度の高いプランである「2日間走破モデルコース」を再編集してご紹介しています。
店舗等の最新の情報は各公式ホームページ等を必ずご確認ください。
作成:2022.6.16
最終更新: 2024.7.5
作成・文: 村上雅之
しまなみ海道を縦断
走破なら2日以上かけて
はじめて長い距離のサイクリングにチャレンジする方や、久しぶりに自転車にまたがるという方には、途中の島で1泊して、2日に分けて走る基本の王道プランがオススメです。1日で走り切ろうとすると、もうそれだけで頭の中も、体力もいっぱいいっぱいになってしまい、「ただ走るだけで終わっちゃった」という、もったいないことになりかねません。せっかくしまなみ海道まで行くのだから、確実に楽しめるプランで走ってみてください。
しまなみ海道のスタート地点は、本州側の広島県尾道市または四国側の愛媛県今治市。どちらをスタートに選ぶこともできますが、今回ご紹介するのは今治を出発地点にする定番のサイクリングプラン。今治スタートは、元気のあるうちに来島海峡大橋を楽しめる、比較的追い風に恵まれやすい、ゴール地点の尾道はJRの便数が多く、新幹線で帰路につきやすい、などメリットも多いです。
乗捨てできるレンタサイクルを借りよう
しまなみ海道サイクリングの拠点となっているゲストハウス「シクロの家」は、今治駅のすぐ目の前にありレンタサイクルターミナルも近いので2日間のサイクリングの前泊や後泊にぜひご利用ください。出発の前日に「シクロの家」に泊まれば、最新の現地情報も手に入るし、おすすめ情報も入手可能です。
「しまなみレンタサイクル」は尾道や途中の島のターミナルでも自転車を返却できる便利なサービス。今治の市街地では、今治駅前サイクリングターミナル、または6㎞離れたサンライズ糸山(中央レンタサイクルターミナル)で借りられます。サンライズ糸山までは交通の便が悪いので、今治駅で借りてスタートするのがスムーズです。体力に不安がある方は、サンライズ糸山で借りて、距離と時間をセーブするのもありだと思います。
今治駅周辺の宿泊施設
今治に宿泊 | タイプ | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|
シクロの家」 | ゲストハウス | 今治市北宝来町1-1-12 | 0898-35-4496 |
今治国際ホテル | ホテル | 今治市旭町2-3-4 | 0898-36-1111 |
米長旅館 | 旅館 | 今治市常盤町1-1-4 | 0898-32-0554 |
JRクレメントイン今治 | ビジネスホテル | 今治市北宝来町2-773-9 | 0898-55-8333 |
喜助の宿 | カプセルホテル | 今治市中日吉町1-2-30 | 0898-22-0026 |
豆知識 JR今治駅からサンライズ糸山へのバスは平日6本(日・祝日3本)、所要22分、350円。タクシーは所要15分、およそ2,500円。
初心者でも安心!しまなみ海道のサイクリングプラン集
1泊2日 黄金の王道プラン
黄金の王道プランの行程
2日間かけて、ゆっくりペース<時速12~15㎞程度>で無理なく、ブルーライン沿いに走ってしまなみ海道を全線走破する基本のモデルコース。名物料理やスイーツもしっかり味わえるプランです。体力や旅程に余裕があるかたは、このプランを基本軸にして、寄り道やアクティビティ、カフェ立寄りなどを追加してみてください。立寄りスポットなどを網羅的に紹介したガイドブック『しまなみ島走BOOK』もぜひ参考にしてくださいね。
1日目 今治→大三島(37㎞) 所要時間7時間/実走4時間
2日目 大三島→尾道(41㎞) 所要時間6時間/実走4時間
宿泊地 大三島・上浦町井口周辺または大三島町宮浦周辺
しまなみ海道2日間走破プランの行程表
1日目
8:20 | START JR今治駅 |
8:30 | 今治駅前サイクリングターミナル |
9:00 | ゲストハウス「シクロの家」 しまなみ海道0㎞地点 |
9:45 9:55 | BREAK 来島海峡大橋自歩道入口 糸山 |
今治 ↓ 大島 | 来島海峡大橋(30分) |
10:25 | 来島海峡大橋自歩道出口 |
10:30 10:40 | BREAK 道の駅 よしうみいきいき館 |
11:10 11:30 | SPOT ばら公園 |
11:55 12:05 | BREAK 宮窪峠 |
12:20 13:10 | LUNCH 魚食レストラン能島水軍 |
13:15 14:05 | SPOT 村上海賊ミュージアム |
14:25 | 伯方・大島大橋自歩道入口 |
大島 ↓ 伯方島 | 伯方・大島大橋(15分) |
14:40 | 伯方・大島大橋自歩道出口 |
14:45 15:10 | BREAK 道の駅 伯方S・Cパーク |
15:30 | 大三島橋自歩道入口 |
伯方島 ↓ 大三島 | 大三島橋(5分) |
15:35 | 大三島橋自歩道出口 |
16:00 16:25 | BREAK 道の駅 多々羅しまなみ公園 |
16:50 | STAY 大三島・上浦町井口港周辺の宿 |
※大三島・宮浦エリアに宿泊する場合には+30分。
2日目
8:30 | 大三島・上浦町周辺の宿 |
8:45 | 多々羅大橋自歩道入口 |
大三島 ↓ 生口島 | 多々羅大橋(25分) |
9:10 9:20 | 多々羅大橋自歩道出口 レモン谷 |
9:30 9:40 | BREAK 瀬戸田サンセットビーチ |
9:50 10:50 | SPOT 瀬戸田のまちなか しおまち商店街などを散策 |
11:05 11:40 | BREAK 瀬戸田 手作りジェラート ドルチェ本店 |
11:55 | 生口橋自歩道入口 |
生口島 ↓ 因島 | 生口橋(15分) |
12:10 | 生口橋自歩道出口 |
12:15 13:00 | LUNCH カフェテラス菜の花 |
13:30 13:40 | BREAK 因島フラワーセンター前 |
13:55 14:20 | SPOT はっさく屋 |
14:30 | 因島大橋自歩道入り口 |
因島 ↓ 向島 | 因島大橋(20分) |
14:50 | 因島大橋自歩道出口 |
14:55 15:40 | SPOT 立花海岸 WILLOWS NURSERY |
16:10 | 尾道駅前行き渡船乗り場 |
向島 ↓ 尾道 | 渡船(5分) |
16:25 | 尾道駅前渡船 |
16:30 | 尾道港レンタサイクルターミナル |
16:45 | GOAL JR尾道駅 |
所要時間は交通や気象状況、個人の体力などにより実際とは異なります。目安として参考にしてください。施設、店舗等の営業時間、休業日などは事前にご確認ください。
しまなみ海道2日間走破プランの高低差
「1泊2日 黄金の王道プラン」の今治から尾道までのルートを走ったときのアップダウンと距離のおおよそのプロフィールはこのような感じです。
やはり、1日目の最初、来島海峡大橋と大島の登坂が頑張りどころ。大三島の宮浦地区に宿泊の場合には、1日目の終わりと2日目の最初に、もう少し距離と坂道が追加されるイメージです。
ガイドブック『しまなみ島走BOOK』や地図『しまなみ島走MAP』には、それぞれの島の中の各ルートの高低差と距離のプロフィールを、プラン集『しまなみ島走PLAN』では16本のサイクリングプランそれぞれのプロフィールを掲載しています。
サイクリング1日目
今治駅前をスタート
JR今治駅前サイクリングターミナルで自転車を借りる際、クロスバイクというスポーツタイプの自転車をおすすめします。カゴ付きの買い物自転車は一見便利に見えますが、とても重く、長距離のサイクリングには不向きです。
また、サイクリングを始める前に、サドルの高さをきちんと調整することが大切です。サドルに座った時に両足のつま先が地面にやっと着く位の位置に合わせてもらうのがベスト。前かがみの姿勢になるので、違和感があるかもしれませんが、買い物自転車のように低いサドルにドカッと座るのは、実は疲れやすいんです。
自転車の準備ができたら、出発の記念撮影にはシクロの家の横にある「しまなみ海道0㎞地点」の看板がピッタリ。ここで写真を撮ればテンションがさらに上がること間違いなし。駅前からは、道しるべ・ブルーラインに沿って市内を抜けていきます。約30~40分で最初の来島海峡大橋の登坂にとりつきます。
橋上までは1.8㎞、高さ約78mまでUP。この坂が体力のバロメーター。もしこの坂でかなりキツイと感じたら、寄り道や観光はそこそこに、疲れやお尻の痛みをため込まないよう、こまめに休憩を淹れるようにしてみてください。
来島海峡大橋の上の方まで来ると、ますます気分は盛り上がります。来たぞ!しまなみ海道!ここから眺める瀬戸内海の島々や船、遠くに見える四国山地の風景は、しまなみ海道サイクリングのハイライトのひとつです。
しまなみの拠点「シクロの家」
シクロの家は、2009年からしまなみ海道で自転車旅行をテーマに地域づくりを進めてきた仲間が集まってできた旅の宿です。
ガイドツアーやサイクリング環境の整備、地図やガイドブックづくりを進める傍ら、夢として描いていた「しまなみ旅の拠点」づくり。今治での滞在・交流を通して、造船とタオルの町、そしてしまなみ海道のファンになっていただけるよう旅人をお迎えしています。
大島 峠越えと海鮮ランチ
来島海峡大橋を降りて、尾道方面へのブルーラインに沿って左折すると、すぐに道の駅 よしうみいきいき館が見えてきます。ここからも来島海峡大橋が良く見えるフォトスポットになっています。
道の駅からメインルートを進むと、すぐに一つ目の峠が現れるのですが……オススメはこちらに向かわず、来た道を少し戻って海沿いに「ばら公園」への外周コースを通ってみてください。一つ目の峠道を回り込む平坦な道であることと、美しい海や漁村、造船所といった瀬戸内海らしい風景を走ることができます。
ばら公園に立ち寄った後は、海沿いの外周ルートとは一旦お別れ。島の内陸方面へと向かって、メインルートに復帰しましょう。ここからは、今回のルートで一番の頑張りどころ、宮窪峠に差しかかります。1.2㎞ほどきつめの坂が続くので、厳しいようなら自転車から降りて押し歩きで。宮窪峠の頂上付近には、高速道路したの日陰、ベンチなどもあるのでちょっと小休止。
宮窪峠を下りきって海に出たら、宮窪港の丁字路を右へ。ブルーラインから少し離れますが、魚食レストラン能島水軍で昼食にしましょう。地元の漁協が営むレストランで、新鮮な地場のものが味わえます。
大島のランチスポット | ジャンル | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|
能島水軍 | 海鮮 | 今治市宮窪町宮窪1293-2 | 0897-86-3323 |
石のカフェ | カフェランチ | 今治市宮窪町宮窪5216-8 | 0897-72-9253 |
みやくぼ しまのダイニング | カフェランチ | 今治市宮窪町宮窪4753-1 | 090-3941-0274 |
雅 | 海鮮 | 今治市宮窪町宮窪5166 | 0897-86-2688 |
喜多寿し | 海鮮 | 今治市宮窪町宮窪2214 | 0897-86-2170 |
食事のあと、時間に余裕があるようなら道の向かいにある村上海賊ミュージアムを訪れて、この海域で活躍した村上水軍の歴史に触れてみるといいでしょう。日本遺産にも認定、ベストセラー『村上海賊の娘』(和田竜著)の影響などで、来館者が急増中の人気博物館です。
その後、しまなみ海道のブルーラインに戻って、大島と伯方島のあいだにある急流の海域(まるで川のように流れている激しい海!)を横目に平坦な道を進みます。そして2番目の橋、伯方・大島大橋への上り口がみえてきたら、ここからまた少し登ります。橋上までの登坂は0.8km、高さ39mまでUP。
豆知識 大島は、高級石材「大島石」の産地として有名で、特に島の北部の山の上には採石場が望めます。道路のあちらこちらに、切り出された大島石が積まれているのもこの島ならではの光景です。
伯方島 道の駅で塩ソフト
通過時間によっては、大島ではなくこの伯方島でランチをとるのもありです。道の駅 伯方S・Cパーク内のレストラン、国道沿いのカフェレストランCafe Un Fil、裏通りにあるお好み焼きと鉄板焼きのレストランお好み焼き風(ふう)といくつか選択肢があります。
伯方島のランチスポット | ジャンル | 住所 | 電話 |
---|---|---|---|
伯方S・Cパーク | レストラン | 今治市伯方町叶浦1668-1 | 0897-72-3300 |
Cafe un fil | 洋食ランチ | 今治市伯方町叶浦1667-15 | 0897-72-8100 |
お好み焼き風 | お好み焼き | 今治市伯方町叶浦甲1667-5 | 0897-74-0053 |
Patisserie T’s Cafe 玉屋 | カフェランチ | 今治市伯方町有津甲2328 | 0897-72-0343 |
お好み焼きたんぽぽ | お好み焼き | 今治市伯方町有津甲2325 | 0897-72-1908 |
道の駅 伯方S・Cパークには、伯方ビーチやドルフィンパークしまなみなども併設されていて、夏場は海水浴場としても賑わいます。この道の駅で人気なのが伯方の塩ソフトクリーム。汗をかいたあとに塩味のソフトクリームがサイクリストに評判です。サイクルスタンド 6人のシクロ・ツーリストのMR.HAKATAJIMAに自転車を置いて記念写真をパチリ。
実はこの伯方島。メインルートを走行するとわずか4㎞ほどの短い道のりです。またたく間に走り終わって次の大三島へと向かいます。3番目の橋、大三島橋までの登坂は1.5㎞、高さ4.1mまでUP。大三島橋はしまなみ海道の橋の中でも最初に完成した、アーチが美しい歴史的な橋でもあります。
豆知識 伯方の塩で有名な伯方島。島の北東部に広がるかつて塩田だった場所は、主にクルマエビの養殖場になっています。大島の半分くらいの大きさなので、余裕があれば一周してみるのもおすすめ。外周コースは16kmほど、1時間半くらいの道のりです。
大三島 本日のお宿へ
大三島橋を降りて、右手に伯方島、前方の奥の方には生口島が見えてきます。ここから道の駅までの途中には、いくつか立寄りスポットあり。時間に余裕がある場合には、レモンコーディアルの専門店「果輪弥 KARINYA」で特製レモネードをテイクアウトしたり、レモンリキュールのお店「大三島リモーネ」でショッピングしたり。
そして20分ほど平坦な道のりを走ると道の駅 多々羅しまなみ公園へ。ここから眺める斜張橋、多々羅大橋の姿は実に美しい!しまなみ海道の橋の中でも特に美しさに人気のある橋で、道の駅園内にはサイクリストの聖地碑と人型サイクルスタンド「6人のシクロ・ツーリスト」があるので、自転車と写真を撮る必訪スポットとなっています。
この多々羅大橋には登らず、道の駅から10分ほど北上した上浦町井口港の周辺には、民宿や旅館が数軒。体力に自信のない方は、このあたりに宿を取っておくのがベスト。
上浦町井口の宿泊施設ピックアップ | タイプ | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|
WAKKA | コテージ | 今治市上浦町井口6691-1 | 0897-72-8705 |
I-LINK HOSTEL & CAFE SHIMANAMI | ホステル | 今治市上浦町井口7345-1 | 0897-72-8308 |
民宿 なぎさ | 民宿 | 今治市上浦町井口5600 | 0897-87-3513 |
料理旅館 富士見園 | 旅館 | 今治市上浦町井口5733 | 0897-87-2025 |
典座 | B&B | 今治市上浦町井口7332 | 0897-87-2224 |
【宿泊場所のオプション】
体力や時間に余裕があるなら、さらに30分ほど走り、三村峠を越えて大三島の西側へ行くと大山祇神社のある島の中心地・大三島町宮浦へと行くことができます。この宮浦地区にも、民宿、旅館、ゲストハウスあり。海洋温浴施設マーレ・グラッシアで疲れを癒し、大三島ブリュワリーでクラフトビールも味わえるなどお楽しみも盛りだくさんのエリアです。
大三島町宮浦の宿泊施設ピックアップ | タイプ | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|
素泊り茶房 トマリギ | ゲストハウス | 今治市大三島町宮浦88 | 080-8493-5416 |
旅館さわき | 旅館 | 今治市大三島町宮浦5460 | 0897-82-0153 |
旅館 茶梅 | 旅館 | 今治市大三島町宮浦5467 | 0897-82-0008 |
民宿紺玉 | 民宿 | 今治市大三島町宮浦5388 | 0897-82-0111 |
OHANA in 御島 | ゲストハウス | 今治市大三島町宮浦5341 | 0897-82-0023 |
豆知識 しまなみ海道の島の中でも特に、都会からの移住先として人気なのがここ大三島。毎年のように新しいお店や宿もオープンしています。サイクリングだけでなく観光も満喫したいという方は、ここ大三島や次の生口島で時間を取るようにすると良いかもしれません。ぜひ最新の情報をチェックして!
しまなみガイドブック決定版!
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しまなみサイクリングのガイドブック&マップの『しまなみ島走シリーズ』は、シクロツーリズムしまなみのウェブサイトやAmazon.co.jpで販売しています。シクロの家でも販売していますので、現地調達も可能です。
サイクリング2日目
大三島をスタート
翌朝は早起きがおすすめ。大三島の上浦地区に宿泊の方であれば、多々羅大橋と朝陽の美しい風景を眺めに散策してみるといいでしょう。宮浦地区に宿泊であれば、樹齢2000~3000年のクスノキがある日本総鎮守・大山祇神社を清澄な朝の空気の中、参拝してみてはいかがでしょう。
2日目のしまなみ海道サイクリングのスタートは、宿泊地から昨日立ち寄った道の駅 多々羅しまなみ公園まで戻り、ブルーラインを辿りましょう。大三島の西側、宮浦に宿泊した場合には、前日走ってきた島の中央を横断する道を戻るのが分かりやすくて最短です。別の道を走ってみたいのなら、大三島の北側を回ってみるのもおすすめです。
距離は伸びますが、海沿いのサイクリングを思いきり満喫できるはずです。途中、標高68mの峠がひとつ越える以外はフラットな道のり。ぐるりと北側を回って多々羅大橋までは16㎞、所要約60分。
しまなみ海道4番目の橋、多々羅大橋までの登坂は1.5㎞、高さ約48mまでUP。多々羅大橋の上では、音の反響現象が体験できる多々羅鳴き龍と、愛媛から広島に入る県境線もお見逃しなく。
豆知識 多々羅大橋は、塔から斜めにケーブルを張った、斜張橋というタイプの橋です。1999年の開通当時、なんと斜張橋の長さとしてワールドレコードを更新。当時、世界最先端の技術を集結して完成したこの橋は、島の景観に溶け込む美しさで今も旅人を魅了しています。
生口島 瀬戸田の町を観光
多々羅大橋から生口島へと降りるエリアはレモン谷と呼ばれ、レモンを始めとした様々な柑橘の木々が山の斜面一面に植え込まれています。生口島は国産レモン栽培発祥の地。今でも全国トップクラスのレモンの生産量を誇ります。
しまなみ海道のメインルートは、生口島の北側を通っています。等間隔でヤシの木が続き、終始、南国ムード満点。平坦な道でとても走りやすく、海沿いをたくさん走れるので気持ちがよいです。
生口島の中心地、瀬戸田はしまなみ海道を代表する観光エリアとなっています。しおまち商店街には、ローストチキン店や肉屋のコロッケ、自転車カフェなどサイクリストのおやつスポットが控えています。「西の日光」と呼ばれ、各地の古建築を模した堂塔が立ち並ぶ耕三寺や、瀬戸田出身の日本画家、平山郁夫さんの美術館など見どころも多数。
生口島に来たら絶対に食べたい、瀬戸田手作りジェラート ドルチェ本店で柑橘ジェラートと海景色を堪能したら、行き交う船と競争しながら前進。なかなか見どころの多い生口島を後にして、5番目の生口橋へ。登坂は0.9km、高さ約35㎞までUP。
豆知識 生口島を走っていると、「これ何だろう?」という不思議な構造物に出会うかもしれません。実は生口島のあちらこちらに、立体アート作品が計17点、展示されています。1989年から開催された「瀬戸田ビエンナーレ」で、現代彫刻のアーティストたちによって作られたものです。
因島 島のカフェでランチ
生口橋を下り終えたら、自歩道出口のすぐそばにあるカフェテラス菜のはなで昼食。自転車好きのオーナーがサイクリストのためにオープンさせたカフェで、橋を見渡せるテラス席もあり眺めが素敵です。少し先には大衆食堂的な懐かしい雰囲気の「あづま食堂」もあり。はっさく大福が好評のはっさく工房まつうらに立ち寄ってみるのもGOODです。
体力に余裕がある方は、しまなみ海道のブルーラインから離れ、4㎞ほど進んだところにある土生という町でランチにするオプションもあります。「いんおこ」と呼ばれる因島のお好み焼きを食べられるお店が何店舗も点在していて、しまなみ海道サイクリングの定番グルメのひとつとなっています。
因島のランチスポット | ジャンル | 住所 | 電話番号 |
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カフェテラス菜のはな | カフェランチ | 尾道市因島田熊町4701-2 | 0845-25-6787 |
あずま食堂 | 大衆食堂 | 尾道市因島田熊町5051-4 | 0845-22-2202 |
お好み焼き越智 | お好み焼き | 尾道市因島土生町塩浜北区1902-3 | 0845-22-0932 |
しまなみカレー ルリヲン | カレー | 尾道市因島土生町1899-106 | 050-5583-5146 |
因島の特に前半は、車も多くて、一部道幅がひどく狭い場所もあるので、十分に気をつけて進んでいきましょう。中盤、ブルーラインは内陸へと曲がり、因島フラワーセンター方面へと向かいます。途中、坂道をふたつ越えて、恐竜の巨大オブジェ・ザウル君があるアメニティ公園へ。
実はこの公園が人気立寄りスポットへの目印。少し道を外れてはっさく屋へ。はっさく大福の有名店で、季節外は「ぶどう甘夏大福」などの代替名物も美味しいです。甘さと酸味のハーモニーが絶妙で疲れも吹き飛びます。はっさくはここ因島が発祥の柑橘と言われています。
因島から向島へと向かう因島大橋へ。自転車道入口まで短いけれど鬼のような坂道が待ち受けます。疲れが出ている人にはがんばりどころです。最後の因島大橋までの登坂は0.8km、高さ約58mまでUPします。
豆知識 1日目の疲労が溜まってきたり、お尻があまりに痛かったり…尾道まで自転車で走破をしなくても、もう少し島でのんびりしてからバスや船で尾道へ。途中で自転車を返却して尾道へ行けるポイントを知っておくと安心です。オススメは2か所。生口島の瀬戸田から船で尾道へ行く航路と、因島の土生港からバスで尾道へ向かう路線です。
向島 ラストスパート
因島大橋を降りると目の前には海!立花海岸!ここには緑が映えるガーデンのあるカフェが数軒、点在しています。無農薬国産小麦を使ったパンケーキのお店、WILLOWS NURSERYで、しばしば名残惜しい時間を過ごしましょう。
あとは、ほぼ平坦な道をラストスパート。前半は海沿いの快走路、赤い向島大橋をくぐって島の北側へと回り込んでいきます。後半は、車や信号の多い町なかへ。最後は渡船に乗って尾道へと向かいます。ブルーラインはそのまま尾道駅前行き渡船乗り場へと誘導しているので、迷うことなく乗り場へと向かえるはずです。
NEW 向島のメインルート沿いに新たな名所が誕生しました。地元食材にこだわった手作りのアイスクリーム専門店、tsubuta SANK!は、瀬戸内海の絶景を目の前にして島ならではの休憩ができるスポットとしてサイクリストの間で話題です。
向島と尾道を渡す尾道大橋も自転車で通行はできますが、ほかの橋のように分離帯がなく、狭くて車の多い橋なので、渡船の利用が推奨されています。渡船の航路は3本あり、乗り場はそれぞれ離れた場所にあります。時刻表もなく、割と遅い時間まで頻繁に行き来しています。運賃は船の上で、集金の船員さんに払います。
豆知識 向島から尾道へ船へと渡るこの狭い海峡は、尾道水道と呼ばれています。尾道の千光寺公園の展望台などからは、この尾道水道と尾道や向島の町並みを眺める景色が有名です。思いのほか、早く尾道に着いたら、ロープウェイや歩いて千光寺へと登ってみてください。
尾道 自転車返却&ゴール
5分ほどの短い船旅で渡船は尾道駅前へと到着。レンタサイクルはそこから0.3kmほどのところにある尾道港レンタサイクルターミナルに返却。2日間、旅を共にした相棒とお別れです。ターミナルすぐそばの複合施設Onomichi U2の北側にはコインシャワーもあり。JR尾道駅までは徒歩5分ほどです。
豆知識 大阪、東京方面へ新幹線で帰るには、尾道駅から福山駅までJR山陽本線で移動するのが一般的です。乗車時間は20分ほど。また、広島空港へはJR三原駅にて鉄道からバスへ乗り換えて向かいます。
サイクリングマップ
もっと寄り道をしたい!
Googleマイマップに、筆者のオススメ情報をまとめています。定番の1泊2日しまなみ海道縦断サイクリングプランをベースに、旅程や体力に余裕がある方は、このマップやしまなみ島走MAPなどの情報をもとに、自分だけのサイクリングプランを作ってみて下さい。しまなみ海道はメインルートを離れた場所にも素晴らしい風景や魅力的なスポットがたくさんあります。
もちろんメインルートだけでなく外周コースにもブルーラインや看板が整備されているので安心してサイクリングができるようになっています。ただし、一部の外周コースには少し上級者向きの場所もあるのでご注意を。例えば大島や因島の東側外周や大三島の南西外周は、アップダウンが続き走りごたえがあります。
― 島探訪ルート
ビギナーでも走りやすいおすすめの寄り道
― しまなみ縦断ルート
とにかく縦断したい人向け
● 緑色の丸
立ち寄りスポット
● 橙色の丸
レストラン・食堂&カフェ
● 赤色の丸
ゲストハウス&旅宿
スマホの「Googleマップ」アプリで表示する方法
上の地図はスマートフォンの「Googleマップ」のアプリで表示すると便利かと思います。まずはこのページを見ているウェブブラウザ(Chrome、Firefox、IEなど)とスマートフォン上の「Googleマップ」アプリにて、同じGoogleアカウントでログインしてください。
①.上の地図タイトル右横にある☆印をクリックしてスターを付ける(☆⇒★)
②.スマートフォンで「Googleマップ」アプリを起動
③.下の方にある「保存済み」をタップ
④.マイマップ > 【ビギナー編】しまなみ海道サイクリングおすすめルートマップ
上の地図中、赤色のラインは「とにかくしまなみ海道を縦断したい人」向けの経路です。時間がある方は是非、橙色の経路をたどり、寄り道をしながらの自由なサイクリングをお楽しみください。また、サイクリングの計画を立てる際のメモなど用に、しまなみ海道の白地図も作成してみました。印刷などして活用してみてください。
その他のモデルコース
これさえあれば、初心者でもしまなみ海道が完走できる!
リピーターもまだ出会ったことのないしまなみ海道に出会える!
サイクリングプラン16本
しまなみ海道サイクリングのガイドブックの決定版『しまなみ島走BOOK』の姉妹本がついに完成しました。感動のしまなみ海道自転車旅を黄金モデルコース&プランで徹底サポートする新ガイドブック『しまなみ島走PLAN』 をご紹介します。
知らない場所をサイクリングする、しかも80㎞近くも!
れは、自転車を趣味とする人ならともかく、そうでない人にはとても挑戦的なことです。計画を立てるのもまるで見当が付かないという人もいるでしょう。そんな人たちのために、しまなみの魅力的なスポットをつないで走るためのプランニングお助け本として本書『しまなみ島走PLAN』を作りました。
行き当たりばったり旅もよいですが、せっかく行くのなら黄金プランで失敗しない旅をしたい! というわけで、本書を参考にモデルコース・モデルプランをトレースしてもよいし、アレンジを加えて自分なりの旅をしてみるもまたよいでしょう。しまなみ海道を知り尽くした地元サイクリングガイドが長年かけて集めた生きた情報を伝授した珠玉のナビゲーションブックです!
この他にもしまなみ海道サイクリング欠かせない情報が満載!
自転車だからこそ生きたい場所や見どころ。ぜひとも味わいたいしまなみ海道のグルメをピックアップした「行ってみる?見てみる?食べてみる?しまなみ海道立寄りスポット」のページ。しまなみ海道を起点につながる「とびしま海道」「さざなみ海道」「たかなわロード」「いしづち街道」の紹介した「しまなみから続く道」の特集ページ。
プランニングに便利な「しまなみ海道うへの公共交通アクセスマップ」「サイクリングお役立ち航路」「しまなみ海道のバス」「しまなみ海道の手荷物搬送」「しまなみ海道の駐車場」「しまなみ海道のレンタサイクル」「しまなみ海道のトラブル対応」「しまなみ海道の宿・キャンプ場」などのトピックも掲載しています。
ぜひ、ガイドブック『しまなみ島走PLAN』や『しまなみ島走PLAN』を事前にお取り寄せいただいて、旅の計画にお役立ていただければ幸いです。シクロツーリズムしまなみホームページ、またはAmazon.co.jp、「シクロの家」「なみトみなと」などで販売しております。
「シクロの家」のスタッフとして活動させていただいていると、もちろん毎日のように、しまなみ海道をサイクリングしてきた方・これからしまなみへ向かう方と出会います。「しまなみ海道サイコーでした」「素晴らしい景色に出会いましたよ」「島の人はみんな優しいですね」「しまなみ海道に来てよかったです」こうしたお話を聞けることが、しまなみ海道の地域に関わる者として、いや、一自転車好きとしても最高に幸せな瞬間です。初めてしまなみ海道をサイクリングされる方でも、思う存分楽しんでいただきたい、素敵な思い出を持ち帰っていただきたい―――そんな想いで当ページを作成いたしました。皆さまのサイクリング計画に少しでもお役に立てれば幸いです。しまなみ海道、今治で皆様とお会いできることを、シクロの家スタッフ一同楽しみにお待ちしております。