【考察】しまなみ海道サイクリングのスタート地点は?
坂は?風向きは?しまなみ海道はきつい?
今治スタートをおすすめする5つの理由
「しまなみ海道を縦断したい!」本州と四国を瀬戸内海を跨いでつなぐサイクリング。せっかくなら一部を楽しむのではなく”走破”してみたいという人も多いはず。そこでよく聞かれるのが「尾道スタートと今治スタートはどちらが良いの?」という質問。風向き、坂道、上り下りの傾斜などから判断する必要がありそうです。結論から言うと「どちらにも、それぞれメリットがある」というのがその答え。ただ、シクロの家にご宿泊のゲストさん達の経験談や、スタッフが実際にいろいろな時期に様々なルートで走っている経験から、オススメするのは「今治を始点」のプラン。以下では、その詳しいワケをご紹介♪
最新の情報は各公式ホームページ等を必ずご確認ください。
作成:2016.6.12
最終更新: 2023.1.17
作成・文:村上雅之
今治それとも尾道スタート?
しまなみ海道はその全線を走破する場合、尾道をスタートにしても今治をスタートにしても問題ないように設計されています。例えば、ブルーラインや案内看板、残りの距離表示などもどちらの方向からも表示されています。

シクロの家に宿泊されているゲストさん達も、尾道をスタート地点に全線走破された方や今治をスタート地点にして翌日から走り始める方のどちらもいらっしゃいます。基本的にはどちらを選んでも自由!ただし、どちらを選ぶかで旅の展開は大きく変わると思います。

今治スタートがおすすめ
シクロの家にご宿泊のゲストさん達の体験談や、スタッフが実際にいろいろな時期に様々なルートで走っている経験から「今治をスタート地点」にすることをオススメしています。

シクロの家にご宿泊のゲストさんで、✔自転車旅は初めて ✔しまなみ海道の全線を走破したい ✔レンタサイクルを借りて観光も楽しみながらのんびりペースで、という方々に定番となっている「2日間で走破する王道プラン」を[こちら]にまとめました。
理由1 風向き
強い向かい風のリスク軽減
サイクリングで風向きはとっても大事!しまなみ海道は、南から北にまっすぐ伸びていると思われがち?でも実は、ちょっぴり西から東に傾いているんです(北が上になっている地図でいうと、右斜め上方向(↗)にのびています)。

しかも、しまなみ海道は、一つ一つの島や橋によって進む方角が変わります。次の島、その次の島へと進むごとに風の感じ方が違うということもよくあります。

もちろん風の強さや向きは、時季や日、時間帯によっても変わりますが、年間を通して緩い東~北東の風が吹いており(最多風向は北東)、強めの風は南西から吹くことが多いように感じます。
自転車で走っていて、ストレスとなるもののひとつが「強い向かい風」。1日中、向かい風の中だと萎えてしまいますし、予定がくるってしまうこともありますね。どちらかというと、今治側からスタートしたほうが、強い向かい風になるリスクが低いといえるかもしれません。

とはいえ、風向き予報などは前日ぐらいにならないと、正確なものはなかなか分からないもの。その日の運として割り切るか……。前日に風向き予報を確認し、あまりにも強い向かい風になることが予想される場合には、高速バスなどを使って当日の朝にスタート位置を変更するといった柔軟なプランを立てておくのも良いかもしれません 。
ヒント 今治スタートで、強い向かい風に苦戦するリスクを軽減
理由2 上り坂のピーク
最初にキツい坂道を終わらそう
坂道と疲れ方という点から考えてみましょう。しまなみ海道のメインルート上にある6つの橋の中で、最も高い位置を通っているのが、今治から大島を結ぶ「来島海峡大橋」。尾道から走ってきて、「最後の最後であの橋が、走っても走っても終わる気配がなくて、地味な上り坂がじわじわきつかったです……」という感想のゲストさんも少なくありません。

このしまなみ海道最大の橋は、空中散歩を楽しめる絶景サイクリングスポットであるとともに、普段あまり自転車に乗らない方やそれまでのサイクリングでかなり疲労している方には、長く続くつらい橋になることもあるわけですね。

また、メインルート上で最も標高の高い峠は大島にある「宮窪峠」で、標高79m。推奨されているメインルートでは、大島にはもう一つの峠があり、その峠も含めると、大島だけで獲得標高が100mを越えてしまいます。つまり、しまなみ海道で一番キツい島は「大島」!

尾道をスタートして60㎞近く走ってきてからのこの大島と来島海峡大橋の坂道は、思いのほか脚にこたえます。「最後にキツい坂道がくるよりも、最初に登ってしまった方がいい」という方には、今治スタートがお勧めです。キツい坂道は早めに終わらせてしまいましょう。
大島の峠をひとつ回避
しまなみ海道のメインルートで最も坂道が多いのが、一番南側にある島、大島。大島のメインルートには2つの峠があるのですが、南側の峠は、西側の外周ルートを通ることで回避できます。来島海峡大橋を降りてから吉海バラ公園までの区間の外周ルートは、完全に平坦なルートなのでオススメです。美しい海の風景も広がっていて景色も素晴らしいものがあります。
ヒント 先にキツい所を終わらせてしまおう
より詳しいルート別の高低差と距離は?
詳しいルートとその高低差を知るにはコチラの『しまなみ島走BOOK』が便利です。しまなみ海道で自転車旅のガイドをしている世界一周サイクリスト・宇都宮一成が自らの足で走り回って作成したしまなみ海道ガイドブックの決定版。各島の詳しい地図やおすすめ情報はもちろん、島のそれぞれのルートごとに標高グラフも掲載しています。地元サイクリストならではの情報を事前に集めて充実のしまなみ海道サイクリングを。
理由3 途中リタイヤ
途中棄権する手段が多い
My自転車でも、レンタサイクルでも、場合によっては途中でリタイアせざるを得ないことも。その場合、公共交通機関を使うことが多くなると思います。自転車をそのまま積載できるフェリーは特に便利ですね。

尾道からスタートする場合に使える、今治港行きの航路は、因島~上島~伯方島~大島~今治と経由する快速船、大三島・宗方~今治間のフェリーの2つのみ。前者は、各島の港がメインルート上ではないので、メインルートから逸れる必要があります。また、後者の宗方港も、メインルートからはだいぶ離れており、便数も少ないです。
一方、今治からスタートする場合に使える航路は、生口島・瀬戸田~尾道、瀬戸田~三原、瀬戸田~須波など。どの航路も便数が充実しており、夜まで利用できる便もあります。もちろん自転車の積載も可能!
今治を始点にしたほうが、広島側の方が船も路線バスも充実しており、途中リタイヤがしやすいと言えるでしょう。
ヒント 万が一の時にリタイヤしやすいから安心
理由4 帰路のアクセス
帰りの公共交通が楽!
しまなみ海道サイクリング。山越え橋越えを繰り返し、やっとの思いでゴール!!でも、まだまだ自宅までの長旅が待っている・・・・・・これはつらいですね。ゴールしたら早く自宅に帰ってゆっくりしたいものです。
そこで考えたいのが、今治と尾道どちらのアクセスがいいか。山陽本線も新幹線も通っており、最近は広島空港からのアクセスも便利になった「尾道」の方が、四国の地方都市「今治」の町より多くの都市からアクセスしやすいことは確かでしょう。そこで、残るのは「行きが楽がいいか、帰りが楽がいいか」という問題。自宅に早く帰りたいという方には、今治スタートがおすすめな場合が多いです。

とはいえ、これも「どこに」「どんな手段で」帰るかによって大きく変わってきます。東京方面でしたら松山空港からのLCCが安くて便利だったり、松山方面へ帰る場合は、日程によっては運行されているサイクルトレインしまなみ号を利用できたりします。
大阪方面でしたら、尾道や福山から新幹線に乗る方法以外にも、今治市内から25㎞ほどの所にある東予港から大阪行きの深夜フェリーが利用できます。また広島へ行く場合も、尾道からバスに乗る方法以外に、松山観光港からフェリーで呉港や広島港へ向かう方法も。九州方面でしたら、松山観光港から北九州小倉行きの深夜フェリーが使えますし、松山の更に南にはなりますが、八幡浜港から大分県の別府や臼杵に向かうフェリーは本数も多く便利です。
ヒント クタクタに疲れてからの長旅は……
理由5 事前の情報収集
シクロの家で最新の情報を
JR今治駅前のゲストハウス「シクロの家」では、しまなみ海道の最新情報を集めています。また、しまなみ海道のポタリングガイドが、しまなみを走り尽くして書き上げたガイドブック「しまなみ島走BOOK」や「しまなみ島走MAP」が閲覧&購入可能!

スタッフは皆、自転車旅行好きなメンバーばかりなので、しまなみ海道のことなら何でも聞いてください。体力や趣向に合わせたプランニングのお手伝いもさせて頂きます。ぜひ、しまなみ海道を走る「前」にシクロの家にご宿泊ください♪
ヒント 生の情報をGETしてからサイクリングへ
しまなみ海道・今治に泊まろう

シクロの家は CYCLO = 自転車 が大好きなメンバーが運営する旅の宿。JR今治駅前徒歩1分。しまなみサイクリングの情報収集&拠点にぜひご利用ください。今治の魅力をたっぷりご用意して、皆さまのお越しをお待ちしております。

尾道スタートのメリット
もちろん尾道をスタートするメリットも。例えばレンタサイクルを使う場合。最も早い時間にオープンするターミナルは尾道港(駅前港湾駐車場)。そして今治駅前サイクリングターミナルでは営業時間外の乗捨てポイントがあるので、尾道で借りて今治で乗り捨てというのが、最も長い時間、レンタサイクルを借りることができます。

また来島海峡大橋や亀老山展望台は、夕日の絶景スポットとして有名。多島美の風景の中に沈む夕陽を見たいし、しまなみ海道も走破したいというサイクリストには、尾道スタートがオススメです。旅のクライマックスに最大の橋、来島海峡大橋を渡るというのも、達成感&感動的なラストが迎えられるかもしれませんね!
